スキーボードの選び方
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スキーボードの選び方
ここまでスキーボード、ファンスキーについてのさまざまなことをお伝えしましたが、それではスキーボード、ファンスキーを購入しようとしたとき、何を基準にして選ぶのが良いと思いますか?
『短いからどれでも一緒じゃないの?』
いえいえ、そんなことはありません。普通のスキーよりも短いスキーボードは雪面に設置している面積が短いです。だからこそ僅かな違いが滑走において大きな差となって出てくるんです。スキーボードにおける板の性能の差となる要因にはスキボの形状や長さ、太さなど見た目でしっかり分かるものから、材質や硬さ、構造など専門的な知識がないと分からないものまでさまざまです。
ここではスキーボード、ファンスキーの滑走スタイルを大まかに下記のように分類分けしてみました。
- まずはスキボをはじめたい
- スピードを出して滑りたい
- グラトリをメインでやりたい
- キッカーを飛びたい
- ボックスなどのジブをやりたい
- 不整地やパウダーなどを滑りたい
これらの滑走スタイルからどのような形状の板が良いのかをスキボダゲレンデジャッカー流にあてはめて具体的なスキーボードをいくつか皆さんにご紹介したいと思います。なおスキーボードの形状の詳細については『スキーボードの形状』で解説していますので併せてご覧ください。
因みに、ここで挙げる滑走スタイルにおけるお勧めの板の形状は一例であり、お勧めの形状であればやりやすいと言うことに過ぎません。実際にはご自身の滑走技術や習熟度にも大きく左右されるのでここで挙げたものでなければご希望の滑走スタイルを実現できないと言うわけではありません。あくまで目安と傾向と言う意味でご理解くださいますようよろしくお願いいたします。
スキボの選び方 まずはスキボをはじめたい
スキーボード、ファンスキーを今から始めると言う方には以下の条件のスキボ板がオススメです。
- 形状:ツインチップ
- 長さ:99センチ前後(体格による)
- 太さ:細身~中程度のもの
- ビンディング:特に問わず
- その他:特になし
初めてスキボを履いてみようと言う方には、スキボの特徴が分かりやすいものがいいと思います。
スキボの代表的な特徴と言うと、形状はツインチップ、長さは一般的なスキボの長さとされている99.9センチ、太さはおよそ80~90ミリ前後となります。ビンディングについてはスキボの象徴的特徴である固定式ビンディングをお勧めしたいところですが、最近は最初から解放式ビンディングを希望される方も多いので、敢えてどちらと言う明言は避けさせてもらいました。お好みによりお好きな方を選択してください。
<『まずはスキボをはじめたい方』向けのお薦めスキーボードの一例>
【GR ski life】WhiteLand/解放式ビンディング付
【NORDICA】SPITFIRE SKIBOARD 99/解放式ビンディング付 + HELDブーツ
【Rossignol】MINI SKY 7 99cm/解放式ビンディング付
スキボの選び方 スピードを出して滑りたい
スキーボード、ファンスキーでスピードを出して滑りたい方には以下の条件のスキボ板がオススメです。
- 形状:ラウンドカット、テールカット
- 長さ:なるべく長いもの
- 太さ:細身~中程度のもの
- ビンディング:特に問わず
- その他:サイドカーブに注意
スキボで速度を出す場合には滑走性能が高く、雪面抵抗が少ないスキボのほうが向いているかと思います。
その他では比較的硬めのスキボが良いかと思いますが、あまり硬さを意識しても板の反発が滑走に影響を及ぼす恐れがあるので、最初のうちはさほど気にしなくてもいいと思います。
またシェイプについてですが、滑走が目的であってもターンを多用するか否かによりシェイプの必要性が異なります。速度を重視するのであれば直進性能が高くなるようにシェイプが少なめなものが良いかと思います、高速滑走中でもレースのようなターンを多用する場合にはある程度シェイプがあった方がいいかもしれません。但し高速滑走中のターンは滑走技術や熟練度などにより安定性が大きく左右されてしまいますので注意が必要です。
<『スピードを出して滑りたい方』向けのお薦めスキーボードの一例>
スキボの選び方 グラトリをメインでやりたい
スキーボード、ファンスキーでグラトリをやりたい方には以下の条件のスキボがオススメです。
- 形状:ツインチップ
- 長さ:90センチ前後(体格による)
- 太さ:中程度~太いもの
- ビンディング:別途
- その他:人により最適な長さが異なる
スキボでグラトリ滑走をメインに考えている場合には取り回し性能がよく、安定性が良いスキボのほうが向いていると思います。
ビンディングについては、グラトリ滑走を主と考えているのであれば良く検討したほうが良いです。滑走時とは全く異なる負荷をかけるグラトリ滑走では、解放機能がついているビンディングでは意図しない誤解放の可能性があります。だからと言って固定式ビンディングではグラトリ滑走独特のトリッキーな動きの中で不意に起こるかもしれない不測の事態に、ビンディング解放と言う負荷の逃げ道がなくなり思わぬ怪我をする場合があります。グラトリ滑走は技の難易度によりこれらのバランスがとても微妙で、どちらが良いとは言い切れないところがあります。
その他では板の硬さがグラトリに影響する場合がありますが、こちらも熟練度に左右される要因なので、硬すぎず柔らかすぎない一般的なスキボ板を選択しておくのが無難だと思います。
なお、長さについて上記では90センチ前後としましたが、体格や熟練度によって板の取り回しのしやすさが異なってきますのでご注意ください。例えば150センチの女子と180センチの男子では同じ99センチのスキボを履いても扱いなどが大きく異なると思います。自分の体格にあった扱いがしやすいものをチョイスしてくださいね。
<『グラトリをメインでやりたい方』向けのお薦めスキーボードの一例>
スキボの選び方 キッカーを飛びたい
スキーボード、ファンスキーでキッカーを飛びたい方には以下の条件のスキボがオススメです。
- 形状:ツインチップ
- 長さ:なるべく長いもの
- 太さ:中程度~太いもの
- ビンディング:解放式
- その他:特になし
スキボでキッカーを飛びたい場合には、しっかりとキッカーに進入するために滑走性能が高く、直進安定性がよいスキボが良いかと思います。
直進安定性を優先するのであればラウンドカットやテールカット形状の方が良いのですが、キッカーではスピンやスイッチなどで後ろ向きになる場合があるのでツインチップ形状をお勧めします。
またビンディングは解放機能付を選択しておけば、万が一の時に怪我のリスクを少しでも軽減できます。但しキッカーに限らず生身の身体で行うスポーツであるスキーにおいて『~~をしたから絶対安全』と言うことはないので、ビンディングの選択もあくまでリスク軽減措置であるということを理解しておいてください。
<『キッカーを飛びたい方』向けのお薦めスキーボードの一例>
スキボの選び方 ボックスなどのジブをやりたい
スキーボード、ファンスキーでボックスやレールなどのジブをやりたい方には以下の条件のスキボがオススメです。
- 形状:ツインチップ
- 長さ:短いものは避けた方が無難
- 太さ:別途
- ビンディング:解放式
- その他:個人の技術によっては板の性能はさほど気にならない
スキボでジブをやりたい場合には特にこれと言った特徴は不要ですが、後ろ向きで着地することもあるので、少なくともツインチップ形状を選択しておくことをオススメします。
ジブ自体が高い技術を必要とする滑走スタイルなので、ジブを楽しめる方であればスキボ板の形状はさほど気にしなくてもいいかと思いますが、太さに関しては技術や熟練度に応じて細いほうが良いと言う方、太いほうが良いと言う方と意見が分かれます。
あくまで目安的な考え方ですが、雪面であろうとボックスなどのジブ上であろうと、真っ直ぐ立った状態であれば安定度が高いのは板の太さが太いものです。しかし板が太くなると操作性が悪くなるのはジブ上でも同じです。ここに技術や熟練度の要素が加わるのですが、どちらを優先するかを考える判断材料にはなるのではないでしょうか?
<『ボックスなどのジブをやりたい方』向けのお薦めスキーボードの一例>
【DYNASTAR】CHAM DARK HORSE/解放式ビンディング付
スキボの選び方 不整地やパウダーなどを滑りたい
スキーボード、ファンスキーで不整地やパウダー滑走を行いたい方には以下の条件のスキボがオススメです。
- 形状:特に問わず
- 長さ:なるべく長いもの
- 太さ:なるべく太いもの
- ビンディング:解放式
- その他:サイドカーブ、ビンディングに注意
スキボは残念ながら不整地やパウダー滑走が苦手です。しかし滑走技術の習熟度によりある程度対応は可能です。少しでも不整地やパウダー滑走に適したスキボの条件は、なるべく滑走性能が高いもの、そしてなるべく雪面への浮力や不安定な雪面に足を取られないように考慮した太めの形状がいいかと思います。
サイドカーブに関しては不整地であれば雪面の状態は通常の滑走と変わらないのでターンがしやすいようにサイドカーブがしっかりとあるものがよろしいかと思います。パウダー滑走であればターンにはエッジを利用したターンよりも荷重移動や板の動きを利用したターンとなることが多いので大きなサイドカーブは不要です。
不整地や新雪は想像以上に足を取られます。不整地やパウダー滑走においては、万が一足を取られてしまった場合を考慮して、解放式ビンディングを選択しておいたほうが無難です。
<『不整地やパウダーを滑りたい方』向けのお薦めスキーボードの一例>
【ROSSIGNOL】MINI ALPHA 123/解放式ビンディング付
スキボの選び方 まとめ
滑走スタイル別のスキボの選び方をお届けしてみましたがいかがでしたでしょうか?ここで挙げたのは一例ですので、これが全てではありません。熟練度や慣れにより同じスキボでも対応出来る滑走スタイルは広がってきます。
今回取り上げた内容はあくまでも目安です。ここで挙げた滑走スタイルを一日中続けると言うことは少ないでしょうから、一部に特化しすぎるのはあまりオススメできません。
ここであげた目安を参考にして、後は皆さんの体格や滑走技術、熟練度にあわせて一日中遊べる楽しい一本を探してみてくださいね。