スキーボードクロスレースのススメ
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クロスレースってなに?
スキーのクロスレース(クロス大会)とはwikipediaによるとこうあります。
スキークロスは、フリースタイル・スキー競技の1つである。
雪上の障害物競走とも言われ、4~6人の選手が同時にスタート、バンクやウェーブ、ジャンプなどをクリアし、最初にゴールしたものが勝ちという、見ている側にとっても非常にわかりやすい競技内容である。(wikipediaより)
一見ハードルが高そうではありますが、実はクロス大会とは数あるスキー競技の中でも特別な技術はほとんど必要がない競技なのです。
例えばパークライドの大会であればジブやキッカーなどの技術が必要となります。モーグルや大回転、GSなどのレースでも同様です。これらの競技はそれぞれの競技に見合ったある一定の技術を身に付けていないと大会に参加出来ないし、仮に参加で着ても十分に楽しむことは出来ないかと思います。
しかしスキークロスは普通に滑ることさえできれば、それだけで十分参加することが出来ます。もちろん勝敗に拘ればそれなりの滑走技術は必要になりますが、パークライドやモーグルなどと比較すると比較的参加の敷居が低い競技なんです。
スキークロスの主な地形
スキークロスのコースは以下のような地形で構成されています。
- バンク
- ウェーブ
- ジャンプ(キッカー)
細かく分類すると更に細分化できますが、クロスコースの地形を大まかに分けるとこの3つだけです。これらの組み合わせや設置間隔などでコースが形成されています。こう言った地形を以下に速度を落とさず滑りぬけるか?と言うのがスキークロスの目的なのです。
例えば私が実際に体験したことがある某ゲレンデのクロスコースでは、、、
- スタート直後に大きめの3連ウェーブ
- ジャンプの直後にバンク
- バンク~ウェーブ~逆バンク
- 下りの直線後のジャンプ
- バンク中のミニジャンプ
などがありました。皆さんはこう言った地形をどのように速度を落とさず滑りぬけますか?想像してみてくださいね。
スキーボードクロスと滑走技術
クロスコースは一つのコースでさまざまな地形を滑ります。そのさまざまな地形を滑り込んでいくうちに自然と滑走技術を身に付けることができるのです。
例えば、クロスコースを自分の対応可能な速度で滑りぬけることにより、徐々に速度に応じた板のコントロールを身に付けていくことが出来るようになると思います。何度も滑り込んでいくと自然と速度域が上がってくると思いますが、それに伴い高速でも安定したコントロールを行えるようになっていくと思います。
またバンクではターン時の荷重移動やエッジの使い方、ウェーブでは上下の重心、ジャンプではさまざまなギャップに対応力など、各地形によってさまざまな滑走力が向上していく可能性を秘めています。
もちろん技術の向上には個人差がありますし得手不得手もあると思います。しかし同じことを黙々と練習するよりも、クロスコースを楽しみながら自然と技術を向上させていくほうがスキボダらしいとは思いませんか?
私自身も10年位前にクロスコースをいっぱい滑っていました。今でも十分拙いレベルですが、当時は本当に初心者だった私なのですが、クロスコースを滑りこんでいたおかげでキッカーが飛べるようになったり早い速度域での滑走技術を身に付けることが出来たのかなと思っています。
このようにクロスコースはパークやコブなどのようにどのゲレンデにも設置されているようであれば、ぜひお薦めした滑走コースなのです。
しかしクロスコースはさまざまな地形を一つのコースに凝縮して造成するため、作成に手間と場所、そして大量の雪を必要とします。更に万が一の事故発生時の対応などゲレンデ側に負担が大きくかかるため、最近はクロスコースを作るゲレンデは少なくなってきています。
もしクロスコースがあるゲレンデに行く機会がありましたら、ぜひ一度は滑ってみてくださいね。
クロスコースが常設されているゲレンデ
私が住む関東近郊では2018年時点で車山高原SKYPARKスキー場に常設クロスコースが設置されていますが、過去には数多くのゲレンデにクロスコースが設置されていました。
本格的なクロスコースはエーデルワイススキーリゾートやホワイトワールド尾瀬岩鞍スキー場などで常設されていたこともあります。
またキッズなどでも楽しめるなんちゃってクロスであればブランシュたかやまや苗場スキー場などにも設置されてました。
しかしいずれも2018年時点では残念ながら設置されなくなっているようです。
但し常設はしないものの、3月頃から始まるスキー関連の大会シーズンとなると、大会用にクロスコースを設置するゲレンデもあります。
その中でもスキボダゲレンデジャックでも毎年お世話になっている鹿島槍スキー場は、スキーボード/ファンスキー向けのクラスを設けて大会を開催してくれている数少ないありがたいゲレンデです。実は鹿島槍スキー場はスキボダゲレンデジャックの開催を行う前からスキーボード/ファンスキークラスを設けていてくれていたので、何か縁があるのかもしれませんね。
毎年3月の2~3週目頃にクロス大会を開催するので、ぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。
クロスコースが減っている理由と注意
私自身が関東近郊以外のゲレンデになかなか行かないので全ての情報を網羅しているわけではないのですが、恐らくクロスコースを常設しているゲレンデはどんどん減ってきています。
理由として考えられることはいくつかあります。
先に挙げた造成の大変さなどもその一つでしょうが、最も大きな理由として考えられるのは安全面だと思います。
スキークロスは滑ることさえできれば誰でも参加できる敷居の低い競技です。しかしいくら敷居が低いとは言え、それが安全であるかどうかは別問題です。
『 スキーボードの安全性 』の各コラムでも触れていますが、スキーは生身の身体で速度を出すスポーツです。そう言ったスポーツである以上、ケガなどのリスクが発生する可能性はゼロになりません。
またスキークロスはさまざま地形を速度を落とさず滑りぬける競技です。つまり必然的にスピードが出てしまいます。そのためやはりヘルメットなどのそれなりの安全対策が必要となります。
安全対策を怠った怪我は自業自得。
と言いたいところですが、ゲレンデとしてはそのようなことはなかなか言えません。
そうなると怪我のもととなり得るクロスコース自体を作るのを辞めてしまうと言う選択をしてしまうゲレンデが増え、結果的にはほとんどクロスコースがないと言う現状になってしまっているのだと思います。
そこでスキボダGJからの皆様にお願いです。
スキークロスに限ったことではなくスキーなどのウインタースポーツ全般に言えることですが、クロスコースを滑る際には【 怪我などのリスクがあること 】を十分に理解して、【 ヘルメットなどの安全装具は必ず装着すること 】を実行するようにお願いします。
因みにクロスの大会に出る場合、各大会でレギュレーションは異なりますが、どの大会においても下記2点は必須事項となっているはずです。
- ヘルメットの装着
- 傷害保険の加入
スキボダGJでは日頃からヘルメットやプロテクターなどの安全装備、身を守る防具などの着用を推奨しています。もしスキークロスに興味がある方はこれらの安全対策にも一考してみてくださいね。
スキーボードのプロテクターやスキーボードと保険などでも安全装備や保険について触れていますので、良ければ参考にしてみてください。