スキーボードの形状

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スキーボードの形状、種類

スキーボード、ファンスキーの最大の特徴は全長100センチ未満と言う長さであることは『スキーボードの定義』で取り上げている通りです。(厳密に言うとスキーボードとファンスキーでは定義上異なります。詳しくは『スキボとファンスキーの違い』をご覧ください。)

それでは長さが100センチ未満ならどれも一緒なの?とお思いの方もいるかもしれませんが、それは誤解です。むしろ長さが100センチ未満しかないからこそ細かい特徴や形状の違いが滑りに顕著に影響してきます。

スキーボードの滑走に対して影響を与える要素は以下のようになります。

  • 形状
  • 長さ
  • 太さ
  • サイドカーブ
  • ビンディングの種類

比較的分かりやすいものだけを挙げましたが、他にも板の反り返りや硬さ、材質、加工方法など挙げだせばキリがありませんので上記以外のものはここでは割愛します。

しかしここに挙げた各要素だけでもスキーボードの特徴に対する理解を深めるには十分です。これらを理解しておくことはスキーボードを購入する時の判断材料になるのはもちろんですが、安全にスキーボードを楽しむためにはどう言ったことに注意すれば良いかと言う特性をしっかりと把握するための材料ともなります。

それではスキーボードの滑走においてどの要素がどのような影響を与えるかを見ていきましょう。

スキーボードの形状

スキーボード、ファンスキーの形状は主に基本的な滑走性能に影響を及ぼします。

スキーボード、ファンスキーの形状には以下のような種類があります。

板の形状

詳細

ツインチップ

板のテール(後ろ側)がトップ(前側)と同じように反りあがっている

板のテールがトップと同様に丸まっている

ラウンドカット

板のテールはやや反りあがっている

板のテールの丸みはトップほどではない

テールカット

板のテールはほとんど反りかえっていない

板のテールは切り落としたような形状になっている

これらを滑走性が優れている順に並べると以下のようになります。

テールカット > ラウンドカット > ツインチップ

また逆にグラトリなどの操作性の良い順に並べるとこのようになります。

ツインチップ > ラウンドカット > テールカット

滑走性と操作性と言うのが相反する特徴であると言うことがお分かりになるかと思います。

しかし滑走性と操作性と言う特徴は極端に2つに分けた場合での例であって、ツインチップの板でも高速滑走は出来ますし、テールカットの板でも操作性は決して低くありません。あくまでも特性による特徴と考えておいてください。

因みに現在スキーボードの形状でテールカットを採用しているモデルはほとんどなく、大半はツインチップ形状となっています。

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スキーボードの長さ

スキボの長さは、後述の太さとあわせて滑走の安定性や操作性に影響を及ぼします。

スキーボード、ファンスキーで一番多いのは99センチですが、90センチ前後のラインナップも意外と多く、またスキボ全盛期には70~80センチ程度のスキボも数多く存在しました。

一般的にはスキーボードの全長が長ければ雪面に接地するエッジの有効長が増えるので滑走の安定性が増しますがその分取り回しがしずらくなります。逆に短くなれば滑走時に雪面に設置するエッジの有効長が短くなるために板がばたつくことがありますが、短い分だけ軽くなり取り回しは良くなります。

スキーボードの太さ

スキボの太さは前述の長さとあわせて滑走の安定性や操作性に影響を及ぼします。

スキーボード、ファンスキーの太さはおおよそ90~100ミリ前後のものが多いですが、70ミリ前後であったり100ミリを超えるものなど、メーカーの想定している滑走スタイルやコンセプトにより幅広い差があります。

一般的にはスキーボードの幅が細くなるとターン時の角付け(雪面にエッジを接地させること)がしやすく容易にターンが行えます。逆に太いものは多少板を倒しても幅広さのためになかなか角付けが出来ないので、慣れないとターンそのものが出来ないこともあります。しかしその反面、板の幅が広いので荷重移動おける安定感が増すのでグラトリなどに向いている傾向があります。

また幅が細い板は比較的全長が長く、幅が太い板は全長が短い傾向にありますが、一部の海外メーカーなど幅広なのに全長が100センチ、或いはそれ以上となっているスキボもあります。

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スキーボードのサイドカーブ

スキーボード、ファンスキーのサイドカーブはターンのし易さに影響を及ぼします。

サイドカーブがきついもの(スキボの先端や後端と真ん中の幅の差が大きいもの)はターンがし易く、逆にサイドカーブが緩いものは比較的ターンしにくいものが多いです。

サイドカーブがきついものは板を軽く倒しただけでぐいっとターンする感覚を味わえるのでカービング滑走の爽快感を体感することが出来ますが、反面、雪面などに足を取られた時に意図しない方向に足を取られる可能性があるので注意が必要です。またターンがしやすい分、直進性や操作性がやや劣ってきてしまいます。

一方サイドカーブが緩いものは多少の板の傾きにおいても直進性を維持してくれるので思うように操作することが可能ですが、高速滑走時などにおけるターン性能では板の性能に頼ることが出来ず、自身のターン技術への依存度が大きくなります。

いずれも板自体の性能による影響であり、しっかりとしたターン技術を習得してターンコントロールが出来ていればさほど大きな問題ありません。

サイドカーブについてはメーカーカタログなどでは『回転半径:R=?』のように記載されています。この数字が大きいほどサイドカーブが緩く、数字が小さいほどサイドカーブがきついと言う状態になります。

因みに最近のスキーボードで極端にサイドカーブがきついモデルはほとんどありませんので、そこまで大きく気にしなくても問題はありませんが、一応覚えておいてください。

ビンディングの種類

スキーボード、ファンスキーのビンディングの種類における滑走への影響は『スキーボードのビンディング』でビンディングの種類と共に解説していますのでそちらをご覧ください。

スキーボードの形状の違い、まとめ

スキーボード、ファンスキーの形状による滑走スタイルへの影響や違いについて、極力専門的な知識を省いて解説しましたが、それでも色々な違いがあることがお分かりでしょうか?

これらの違いを感じるにはさまざまな種類の板を乗り比べるのが一番ですが、個人で複数種類のスキボを何本も持つのはなかなか難しいです。

スキボダゲレンデジャッカーのイベントの参加者は滑走に対する趣味嗜好により、愛用している板の種類もさまざまです。それらを実際に見比べてみたり、許可をもらって乗り比べるなどすれば、板の形状による違いが良く分かるかと思います。

またイベントではスキーボード、ファンスキーの試乗会などを開催することもあります。色々な板を乗り比べて自分にあった一本を見つけてくださいね!

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