スキーボードの定義
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スキーボードはスキー?
そもそもスキーボード、ファンスキーとはどんなものなのでしょうか?普通のスキーとはどう違うのでしょうか?スキーボードやファンスキーの定義に触れる前に、スキボに対する長板、つまり普通のスキーについて触れたいと思います。
スキーには用途に応じてさまざまな形状や特徴があります。例えば用途であげるのであれば・・・
- アルペン
- エアリアル
- フリースタイル
- マウンテン
- オールラウンド
他にもさまざまあるでしょうが、上記のものが一般的な用途になるかと思います。これらの用途に応じた滑走シーンにおいて、より快適に滑るために、スキー板にはさまざまな長さ、形状、特徴が存在しています。
例えば、マウンテン用途であれば浮力を得るために凄く太い形状であったり、アルペン用途であれば速度を出すために細身で長めの形状であったりします。用途により形状はさまざまですが、どんな形状をしたスキー板であっても全てスキー板です。つまりスキー板とは一般的に皆さんがスキー板として認識している形状のもので間違いありません。
・・・回りくどい表現で申し訳ありません。しかし当たり前すぎるこの前提を再確認してもらいたかったのです。
それではスキーボードはスキーでしょうか?
残念ながら答えは否です。
正確には否と断言するには若干の語弊がありますが、その理由は下記にあります。
スキーボードはどんなもの?
まずスキーボード、ファンスキーと言うのはどういうものか、改めて考えてみましょう。
スキーボードの長さは?
スキーとは長さが明確に規格化されています。その規格の中で『スキーとは100cm以上である』とされています。それに対してスキーボードには『スキーボードとは・・・』と言う規格は存在しないそうです。
スキーボードの長さを定めた規格はありませんが、現存している規定を読み解くと、スキーボードに対する解釈は以下のようになります。
- スキーボードがスキーボードであると言う明確な決まりはない
- スキーボードは長さが100cm未満なのでスキーとしては分類されない
(詳しい条文などは各自でお調べください)
スキーボードのビンディングは?
スキーボード、ファンスキーの大きな特徴の一つである固定式ビンディング(非解放式ビンディング)ですが、スキーにおけるビンディングについては、ドイツのDIN規格において『全長が100センチ以上のスキーには解放式ビンディングを用いること』とされており、100センチ以上のスキーに対して解放式ビンディングを取り付ける決まりになっています。
しかし100センチ未満のスキーに対しては特に何も定められていません。
逆の言い方をすると、100センチ以下であるスキーボードのビンディングは解放式であっても固定式(非解放式)ビンディングであっても構わないということになります。
つまりビンディングの形状によってスキーボードであるか否かを定義つけることは出来ないと言うことになります。
スキーボードとは・・・?
ここまでをまとめると、スキーボードがスキーボードであると言う定義は存在せず、一般的『100センチ未満のスキーがスキーボード』と言われているだけに過ぎない状態なのです。
このスキーであってスキーに在らずと言うあやふやな状態がゲレンデにおけるスキボの地位が軽視されている理由の一つなのかもしれません。
スキーボードの特徴
ここまで考察でスキーボードがスキーボードであると言う決まりはないということはご理解いただけたかと思います。ここでwikipediaよりスキーボードの特徴を引用してみます。
(wikipediaより引用)
スキーボードは、一般に長さ100㎝未満の板を指し、ツインチップ形状(前後共に板が反り返っている形状)である事が多い。これはバックで滑ったりもできるようにということから、この形状になっている。DIN規格(ドイツ規格協会)では、100cm以下のスキー板には解放機能(セーフティビンディング)は必要ではないとされているため、国内でも固定式簡易ビンディングでよく販売されている。
(wikipediaより引用ここまで)
これらの特徴をまとめると一般的にスキーボードの特徴とされるのは・・・。
- 長さ:一般的に100cm未満
- 形状:ツインチップ形状のものが多い
- ビンディング:固定式(非解放)ビンディングがよく販売されている
となります。明確になっているものは長さだけでそれ以外の特徴については『~~が多い』と言うかなりアバウトな解説のみになってるのが現状です。
しかしながらこの自由さこそがスキーボードの最大の特徴なのです。唯一特徴としている長さでさえも、国内外の一部のスキボブランドでは100cm以上のスキーボードをラインナップしています。これは前述のスキーの定義で言えば、本来はスキーと分類されるべき長さですが、ブランドによってはスキーボードとしてラインナップされているのです。
そこでスキボダGJとしてはスキーボードを以下のように定義つけるものとします。
スキーボードの定義
その1:長さが100センチ未満のスキーをスキーボードとする
その2:但しメーカーがスキーボードとしてラインナップしているものは長さを問わずスキーボードである
-
- <具体的な特徴>
- 長さ:100センチ未満(但し例外あり)
- 形状:特に問わず
- 太さ:特に問わず
- ビンディング:特に問わず
- ストック使用:自由
いかがでしょうか?
スキボダGJではスキーボードをこのように定義してみました。要は一般的に『スキーボード』或いは『ファンスキー』と言って世間的に通じるものであれば問題ないと思います。
ゲレンデではいまだ少数派のスキーボード、ファンスキーです。些細な違いなど気にせずにスキボダらしく自由な気持ちでスキーボードを楽しんでくださいね。
最後に、スキボダGJでは『スキーボード』『ファンスキー』の二つの語句を併用して使用していますが、実はこの両者には明確な違いはほとんどありません。両者ともいわゆる短いスキーを指す名称です。分かっている人には『スキーボード』『ファンスキー』、どちらの名称を使用しても通用すると思います。
詳しくはGJコラム『スキボとファンスキーの違い』で解説していますのでそちらをご覧くださいね