パーク(キッカー)
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パーク(キッカー)
キッカーとはジャンプをするために人工的に作られた特殊地形で、それぞれに名称と役割がある。
キッカーの名称
アプローチ
キッカーを飛ぶための助走エリア
ボトム
アプローチの一番深い部分。
トランジション
飛ぶための滑走エリア。R(アール)と呼ばれることが多く、一般的には「アール」の呼び名の方が浸透している。
リップ
キッカーの飛び出し口。トラジションとリップのことをまとめてリップと呼ぶこともある。
ノール
リップの先で着地点の手前のエリア。後述のテーブルトップ形状のキッカーではテーブルとも呼ばれる。
デコ
ノールと着地点の間の角部分。
ランディング
飛んだ後の着地地点。斜面になっているので着地時にかかる力(衝撃)がそのまま斜面への滑走にと変換されるので、きちんとランディングに着地することが出来ればどんなに大きいキッカーの着地でも衝撃はほぼない。
フラット
ランディングが終わり、斜度がなくなっているエリア。キッカーの設置場所によってはフラットがないもののある。
キッカーの大きさ
キッカーの大きさ(長さ)は通常リップからデコまでの長さで表記される(例:8mキッカー)これがそのキッカーの難易度の目安となる。
キッカーの形状
キッカーは形状によって呼び名や特徴が異なる。
キッカー
一般的なキッカー。リップからランディングまで高さがあるため威圧感があるが、滞空時間が長くなるので爽快感がある。反面、キッカーの大きさにもよるが、飛距離や高さが出ずにランディング迄飛びきれないと落差があるため身体的ダメージも大きい。
テーブルトップ
リップから先が平らなテーブル状になっているためテーブルトップ、或いはテーブルトップキッカーと呼ばれる。リップとランディングの落差がないため威圧感が少なく、また万が一飛距離や高さが足りなくても落差が少なく身体的ダメージが少ないため飛びやすいキッカーとされている。
ステップアップ
通常のキッカーとテーブルトップの中間のような形状。リップの先は一度えぐれているがデコに向かって雪が盛ってあり、テーブルトップのようにリップとランディングの落差がゼロではないが、キッカーほど激しい落差もない。近年ではキッカーの爽快感と飛距離不足時のダメージを考慮してステップアップキッカーを置くパークが増えている。
その他の形状
このほか飛ぶための特殊地形の名称はキャニオン/フラットダウン/クリフなどがあるが、ここでは割愛する。
基本動作
アプローチ姿勢
スキボの滑走を参照。但し慣れないうちはボトムからアールを登っていく過程で斜度により前圧を維持できずに後傾となってしまうことが多いので、しっかりと前圧を意識して極端な前傾や後掲にならないようにすることが重要。(所謂「押し返し」と呼ばれる動作)
侵入速度
キッカーにはさまざまな形状があるが、いずれの形状でもスタート地点から減速せずに侵入すれば大体ランディングに届くように設計されている。ランディングまで届かない時には以下の理由による適切な速度が出ていないと考えられる。
・無意識に減速している
・板のコンディション
・雪のコンディション
特にスキーボードの場合には板/雪のコンディションに左右されやすいので、スタート地点よりも更に数メートル手前からスタートするなどの速度を稼ぐ方法を模索しなくてはいけない。
サッズ
リップで身体を伸びあがらせる動作。なお、キッカーでは地形自体が身体を浮き上がらせるような形状になっているため、リップで身体をタイミングよく伸びあがらせるだけでより高く飛ぶことが出来る。逆にリップで自ら飛ぼうとすると体勢を崩すことが多い。「飛ぶ」と「伸びる」の動作の違いを理解することがキッカー上達の秘訣であるとも言える。
タック
空中で足を身体の前に引き付けるようにして曲げる動作(体育座りのような姿勢)。前述のサッズが正しく行えれば伸びあがった反動で膝を身体に引き付ける動作、すなわちタックが比較的容易に行うことが出来る。タックから各種グラブなどのジャンプトリックに派生する。
ギャバる
空中で姿勢を崩し身体がバタバタとすること。宇宙刑事ギャバンと言う特撮ヒーローものの敵役がやられて吹き飛ばされる時に身体をバタバタさせていたのがその語源と言われている。
ノール落ち/テーブル落ち
飛んだ時に飛距離が足らずにノール/テーブルに着地すること。キッカーの大きさに対してアプローチの速度が極端に遅い場合にノール落ちとなってしまう場合が多い。着地時に掛かる衝撃の逃げ場がないため、衝撃が全て身体に帰ってくるのでとても痛い。適切な侵入速度を探して、正しくランディングに着地できるようにするのが良い。
デコ落ち
飛んだ時に飛距離が足らずにデコ部分に着地すること。デコの端の方であれば衝撃はほとんどないため、飛びきれたと勘違いする場合もある。適切な侵入速度を探して、正しくランディングに着地できるようにするのが良い。
フラット落ち
前述のノール/テーブル落ち、デコ落ちとは反対に飛びすぎてフラット部分に着地すること。キッカーは高く遠くに飛ぶ方が良いとされているが、フラット落ちの場合、着地の衝撃はノール落ちと同様にダイレクトに身体に掛かるうえ、 落差はノール落ちの数倍にも及ぶため、キッカーが大きくなればなるほど危険な飛び方。適切な侵入速度を探して、正しくランディングに着地できるようにするのが良い。
ジャンプトリック
棒ジャンプ
リップでサッズをかけて飛んだ後、タックをせずにそのまま身体を真っ直ぐ伸ばしたままの状態を維持して飛ぶこと。サッズをしっかり掛けないと身体が真っ直ぐにならず、その他、荷重や目線なども正しい状態でないと棒姿勢を維持できないので、初~中級者にとってはこの飛び方が実は一番難しいと言われている。
素抜け
サッズを行わずにアプローチ姿勢のままでキッカーを飛ぶこと。浮遊感はあまり得ることは出来ないが基本姿勢がしっかりと出来ていればバランスを崩しにくく、キッカーに慣れるためには比較的有効な飛び方ではある。キッカーの大きさやリップの形状によっては素抜けだけでも十分に浮遊感を得ることが出来る場合もある。
クロス飛び
リップでタックとは逆の動作を行い(リップで上半身を被せるように縮める)敢えて高さを出さない飛び方。空中では素抜けと同じような体勢になる。高さが出さない分飛距離を稼げるので、アプローチ速度が足りずにノール/デコ落ちの危険性がある時にはこの方法で飛ぶとノール/デコ落ちを回避できるか、或いは回避できなくて高さがない分身体的ダメージは少なくて済む。 この飛び方が癖づくとなかなかサッズが出来なくなるので十分に意識して使い分けることが必要。
グラブ
空中でタックをしながら板を触るジャンプトリック。板の触る場所や触り方などでさまざまな呼び名がある。
例:右手でグラブ(左手でグラブする場合は左右逆に読み替える)
セーフティ→右足の板のセンター付近をグラブ
ミュート→左足の板のセンター付近をグラブ
テール→右足の板のテール付近をグラブ
ノーグラブ
板を触らないで行うジャンプトリック。動きによりさまざまな名称がある。
例:
シフティ→タックしながら腰をひねり板を揃えて真横に向ける
スプレットイーグル→手足を広げて大の字になる
コサック→両足を広げて股の間に両手を落とす
回転トリック
空中で回転するトリック。回転方向などによりさまざまな呼び名がある。
例:
横方向→180(ワンエイティー)、360(サブロク)、540(ファイブ)など
縦方向→フロントフリップ、バックフリップ、サイドフリップなど
縦横複合→ロデオ、ミスティ、バイオ、コークなど