スキーボードは安全?危険?

スキーボードは安全?危険?

スキーボード、ファンスキーをしていると言うと、稀にこのようなことを言われることがあります。

ファンスキーって危なくない?

スキーボード、ファンスキーを長年楽しんでいる人にとっては『なんで?』って思う疑問だと思います。しかし『噂のないところに煙は立たない』と言う諺があります。このようなことを言われるにはそれなりの理由があるんです。

ここではスキボの安全性について考察していきたいと思います。

スキボは怪我をしやすい?

スキーボードの栄光と斜陽

スキーボード、ファンスキーは日本に登場したのが1991年、それからこの記事を書いている2017年の時点で約25年が経過しています。登場して四半世紀が過ぎ、それなりに長い歴史を持っているはずなのに現時点でのスキボの認知度やスキボ人口はとても低いと言わざるをえません。

しかし2000年頃に今ではとても信じられないほどのスキーボードブームが到来した時期もあるんです。スキボを対象とした大会やイベントが各地で開催され、メーカー主体でスキボプロモーションチームが立ち上げられました。更にそれに呼応して有志の団体も全国各地で発足するなど、当時は正にスキボ黄金時代とも呼べる時期でした。詳しくは『スキーボード?ファンスキー?』でまとめているのでそちらをご覧ください。

当時はこのように市民権を得て順風満帆であったスキーボードでしたが、少しずつ蓄積されていたとあるデータが発表されたとき、その輝きに陰りが差し始めました。

それは『ゲレンデ利用者の負傷率』と言うデータでした。

これはゲレンデなどでまとめられたもので、ゲレンデ利用者がゲレンデで負傷した人数を何らかの方法で算出してデータ化したものです。このデータによると細かい数字は割愛しますがスキボ利用者のゲレンデでの負傷率が他のギヤに比べると非常に高いと言う内容でした。

客商売とはお客様に遊びに来ていただいてこそ成り立つ商売です。そしてゲレンデも例外ではありません。

お客様に来てもらうには楽しさがあることは当然ですが、安全さも十分にアピールしなくてはいけません。怪我する可能性が高いところにわざわざ行きたがる人はあまりいませんからね。その安全さをアピールする材料の一つが上記に挙げた『ゲレンデ利用者の負傷率』なのですが、このデータを解釈すると『スキボを受け入れるとゲレンデ負傷率が増える』とも言えてしまうことになるのです。

既にある程度市民権を得ていたスキボを公に排斥することは出来なかったようですが、わざわざ負傷率が高いギヤで遊ぶのはいかがなものかと、ゲレンデやメーカー、更には口コミなどで少しずつスキボの排斥ムードが漂い始めていました。

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スキボが消えていった理由

しかし既に世間に認められていたスキボには熱狂的なファンもいて、それは多少の排斥ムードで消えていくほど一過性なブームではありませんでした。しかし負傷率の原因をスキボの構造にあると指摘されると、そのブームは徐々に失速せざるを得ませんでした。

スキーボードと言えばその短さと共に、普通のスキーと異なる固定式ビンディングが大きな特徴です。この固定式ビンディングが負傷を増やす大きな原因として指摘され始めたのです。

つまりこのようなことです。

  • <普通のスキー>
    何かの拍子に転倒する
     ↓
    ある程度の力が加わると解放式ビンディングによりスキー板が外れる
     ↓
    転んだ人は転倒はするものの足に大きな捻りなどかからない

  • <スキーボード>
    何かの拍子に転倒する
     ↓
    ある程度の力が加わっても固定式ビンディングなのでスキー板は外れない
     ↓
    板が引っかかり足がひねるどして、骨折や靭帯損傷などの重大な怪我をする可能性がある

こうなってしまうとメーカーとしてはスキボを推奨するわけにもいかなくなります。大手メーカーではスキーボードの生産自体を中止すると言ったことはないようでしたがその規模は縮小し、中小メーカーに至っては生産中止、撤退をせざるを得ない状況になってしまったようでした。

またそれと同時に固定式ビンディングが主流であるスキーボードは世間的には『スキボ=危険』とレッテルを張られるに十分な理由となってしまいました。

こうしてスキーボードは危険なものと認識されて徐々に表舞台から退出を余儀なくされたのでした。

スキボが危険と言われた理由を考える

こうして表舞台から姿を消したスキーボードですが、本当にスキボは危険だったのでしょうか?当時の世論を生で体感したわけではありませんが、本当にスキボが危険だったのかどうかについてはいささか疑問が残るところがあります。

その疑問を考えるためにスキボで怪我をしたと言う背景を掘り下げて見ます。

スキボの大きな特徴である短さ。板が短いが故の操作性のよさ。これは初心者が気軽にスキーを始められるスキボの大きな魅力の一つでもあるのですが、言い換えてしまうと技術が拙いものでも簡単にゲレンデで滑れてしまうと言うことになります。

もちろん誰でも簡単に滑れるのは悪いことではありません。むしろメリットであると思います。直ぐに滑れるようになるとスキボの魅力を色々と試してみたくもなることでしょう。

当時結成されていたスキーボードプロモーションチーム『Term One-Day(チームワンデイ)』はキッカーやジブなどで強烈なパフォーマンスをしていました。そう言ったものに憧れてスキボを始めた方であれば、スキボを始めてある程度滑れるようになったら直ぐに真似をしたくなるのは致し方ないことだと思います。

しかし当時のパークと言えばスノーボードが主流であり、スキーでパークに入るのは極小数でした。またスキーやスノボなどに限らずパーク技術をそのものを教える場がほとんどなく、ほぼ全ての人が我流でパーク遊びを行っていました。ヘルメットやプロテクターなどの安全装備どころかそう言った意識すらない状態でのパーク遊びが危険であるのは今も昔も同じことです。おのずとパークで怪我するスキボユーザーは増えていきました。

怪我はパークだけではありません。

誰でも簡単に滑れるようになるスキボは、その自由さをウリに順調にファンを増やしていきました。しかし固定式ビンディングと言うスキボの最大の特徴が持つリスクは大きな声で伝えられていませんでした。もちろんカタログなどのどこかには記載されていたのでしょうが、波に乗っている当時のブームに水を差すようなことを言うのはなかなか難しい雰囲気だったのかもしれません。

その為、リスクと合わせて広まらなくてはいけない固定式ビンディングを利用した時の危機回避方法も知っている人はほとんどいない状態だったようなのです。

そのため、転倒時に解放式ビンディングのように板が外れなかった時に上手く力を逃がす術を知らずに怪我をしてしまったと言うケースが非常に多くあったようです。

『スキボ=危険』を検証する

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スキボは本当に危険なのか?

当時はこのような理由から『スキボ=危険』とされてしまいました。もしかしたらこれにはもっと根深い何かがあると言う説もありますが、ここでは敢えてそこには触れません。

ただ上で挙げた事例だけを見れば、確かに『スキボ=危険』と言うだけに足る背景はあるように思えます。しかし本当にそれだけで済ませて良いのでしょうか?負傷率と言う数字だけで見ればスキボ利用者の負傷率は多いのかも知れませんが、本当の問題はスキボが本当に危険なのか?と言うことにあるように思えます。

例えばスキボの特徴である固定式ビンディング。この固定式ビンディングは解放式ビンディングのように解放機能はありませんので、何かの拍子で負荷が掛かったとしてもビンディングが解放することはありません。これは紛れもない事実ですのでそのように言われることにはなんら反論はありません。

しかしそれならスノーボードはどうでしょうか?スノーボードのビンディングには解放機能がありませんが、『スノーボード=危険』とならないのは何故でしょうか?

また解放機能があれば絶対に安全なのでしょうか?スキボよりもスピードが出るスキーは解放機能があるからスキボよりも安全なのでしょうか?

ここで言いたいのは負傷率と言ったデータやビンディングの問題ではありません。

全てのスポーツには怪我のリスクがあると言う事です。

スキーボードは初心者でも簡単に滑れるようになる素晴らしいギヤですが、スキーボードはあくまでもスポーツであると言うことをしっかりと認識してもらいたいです。そしてスポーツである以上怪我のリスクは必ず付きまといます。それは残念ながらスキボも例外ではありません。

決してスキボだけが危険で怪我のリスクが高いわけではありません。普通のスキーやスノーボードであっても同様に怪我をする可能性はあります。

繰り返しますがスキボだけが危険なのではありません。スポーツである以上、怪我のリスクをゼロにすることは出来ないのです。

『スキボ=危険』に対するスキボダGJの見解

そうなるとどうして『スキボ=危険』と言う認識が浸透して言ったのかと言う疑問が生じます?

この答えとして、スキボダGJでは『スキボのことが正しく知られていなかった』『スキボを正しく教える環境がなかった』からと考えています。

ここで言う『正しく教える』と言うのは滑走技術のことはもちろんですが、先ほどから挙げている『スキボはスポーツである』『怪我のリスク』、更には『怪我のリスクを回避する方法』などのことです。

『スキボのことが正しく知られていなかった』から『スキボはスポーツである』と言うこと、『怪我のリスク』があると言う、考えてみれば当たり前のことが見過ごされていたのかもしれません。

出来ればスキボの楽しい側面だけを見てもらいたくはあるのですが、このような認識をしてもらうのとそうでないのでは大きな差があると考えています。そしてこれらのリスク的側面を再認識してもらうことによって、スキボによる受傷の確率は大きく下がると思っています。(残念ながらゼロにすることは不可能だと思いますが・・・)

スキボの大きな特徴の短さと軽さ。この短さと軽さが自由さを生んでいます。

哲学的な話ですが、自由には必ず責任が生じます。スキボの自由さにはスキボならではのリスクもあることを理解しておいてください。

スキボを安全に楽しむために

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スキボを安全に楽しむにはどうすればよいのか

スキボダGJではスキーボード、ファンスキーと言うスポーツを楽しむために、皆さんに以下のことを理解していただきたいと思っています。

  • スキボの固定式ビンディングは解放機能がないので万が一の際に解放機能付ビンディングよりも受傷の可能性が高いことを理解しておくこと。
  • スキボはレジャー要素が強いスキーであるがスポーツであり、スポーツである以上、怪我をする可能性はゼロではない。
  • 怪我の可能性はゼロではないが、それを必要以上に恐れないこと。
  • 万が一の転倒時には足を上にあげること(但し転倒の仕方による)

変に意識して気にしすぎることはないですが、これらを理解して覚えておくだけでもちょっと違った結果になるかと思います。

またスキボに限った内容ではありませんが、怪我のリスクを回避するためには以下のことも理解しておいてください。

  • 疲労は滑走力を無意識に低下させるのでこまめな休息をとること。
  • 技術向上のために自分の限界ギリギリの無理をすることは時には必要となるが、自分の限界を超えた無茶はしないようにすること。
  • パークやコブなどの特殊地形では必要以上の警戒心を持つこと。
  • 仲間との滑走では気分が高まり、自分の限界を見失いがちなので注意すること。
  • ラスト1本が一番怪我しやすい時期であること。

ちょっとした注意が楽しいスキボライフを継続させる何よりのコツです。ぜひ覚えておいてくださいね。

スキボは安全?危険? まとめ

かつてスキボが危険であると言われた時代がありましたが、現在はそのようなことに声をあげる人はほとんどいません。それはスキボのことが多少なりとも世間に浸透してきている成果だと思います。

一番の危険は『知らないこと』です。

『無知の知』と言う言葉があります。

『私は何も知らないけども、知らないと言うことを知っている』

古代ギリシャの哲学者の言葉です。最初は分からないのは当たり前です。そのために怪我をしてしまうことあるかもしれません。しかし知らないことは知ればいいんです。

スキボダGJがお伝えしたことが全てであるとは思いませんが、必要なことは盛り込まれていると思います。

『スキボ=危険』と言われるのは簡単ですが、『スキボ=安全』と言われるためには皆さんの努力と協力が必須です。スキボは100%安全なスポーツではありませんが、少しでも安全に楽しめるようにご理解とご協力をお願いします。

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